
田中康夫長野県知事が20日「脱ダム宣言」をしました。私たち民主党は多くの学者、識者のご意見とご提案を受け、鳩山代表もふくめ私たち関係議員との真摯な議論の積み重ねを経て、計画中・建設中のダムを一旦すべて凍結し、見直す、という『緑のダム構想』を発表しました。 それは森林のもつ保水機能や土砂流出防止機能に着目し、森林の再生をすすめることによって、コンクリートのダムにできる限り頼らない利水・治水対策を確立するものです。この『緑のダム構想』をまとめてみました。みなさまのご意見・ご批判・ご助言をお寄せください。 「緑のダム構想」とは 日本にある約2600のダムの総貯水量が202億トンなのに対し、森林2500万ヘクタールの総貯水量は、9倍の1894億トンになる。「緑のダム構想」とは、「コンクリートのダム」から森林の貯水機能や水源涵養、土砂防止機能を活用した構想をいう。具体的には、全国のダム計画を凍結し、「見直し委員会」で再検討するとともに、旧林野庁の財政赤字を一般会計で補填、民有林には補助金を支払うなどして、森林の保全を図ることである。そのためには、 a) 我が国で現在計画されているダム(河口堰、頭首工などを含む)をいったんすべて凍結する。計画中のダム及び現在運用されているダム全てを「見直し委員会」で再検討を行う。そこでは治水、利水、環境などの観点と共に、計画が社会的にも是認されるものか否かも審査される。見直し委員会は専門家と市民によって構成され、行政は加わらない。 b) 健康な森林は国土保全の要であることを確認し、「緑のダム構想」 を実現するため、現行の環境省、農林水産省に、国土交通省河川局を統合した「国土保全省」を発足させる。これは、国土交通省を解体する「第2次行政改革」でもある。 c) 国有林に関わる、林野庁の財政赤字を全て一般会計で補填し、技能職員を増やすと共に、民有林には補助金を支払う。中山間地域では「山のお守り料」として、現地住民に対して現金給付(デカップリング)をするほか、全国の森を愛する人たちの参加を求め、間伐、植 林などの仕事を行う。 d) 都市の上流に「遊水池」を設けて洪水を受けとめると同時に、都市内部は自治体ごとに水の管理計画を、都市計画には住民が参加し、河川管理、雨水利用、地下水の浸透と利用、水のリサイクル、節水、リクリエーションなどについて話し合われ、流域毎に連合体が作られれば、日本の伝統的な治水技術などが復活するであろう。 e) ダムの堆砂状況について情報公開し、排砂、運用中止、撤去などの方法を考える。 こうした政策の有効性の背景には、建設省のここ100年来の河川政策の誤りがある。それを見ておこう。 1)森から川、川から海へと繋がる生命体としての川をバラバラに分断してきた。このような視点の立った建設省の利水論、治水論は客観的に誤りがあった。 2)その原因として、日本のようなモンスーン地帯でも、水田を中心とした稲作圏でもなかったアメリカやオランダの河川政策をモデルにしたということもあるが、最も重要なことは、その誤りに気づいていながら是正できない、あるいはみんなが無責任な状態になっているということである。「梅雨期にダムをからっぽにすると、夏に水が足らなくなる」という現象は、それを端的に示すものである。 3)ダムが造り続けられてきたため、日本では海岸線がおよそ100メートル以上も後退し、海の生物に深刻なダメージを与えている。
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